PRTR 平成23年度(2011)データ公表

「平成23年度PRTRデータの概要

−化学物質の排出量・移動量の集計結果−」について

平成11年7月に公布された「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(化管法)」に基づき導入された「化学物質排出移動量届出制度(PRTR制度)」により、人の健康や動植物に有害な影響を及ぼすおそれのある化学物質について、毎年度、対象事業者には、対象化学物質の環境に排出される量(排出量)及び廃棄物等に含まれて事業所の外に移動する量(移動量)の届出が義務付けられており、国は届出の集計結果及び推計を行った届出対象外の排出量の集計結果を併せて公表することとされています。
なお、化管法は、平成20年11月に対象物質の見直し(従来の354物質に代えて、新たに462物質を指定)及び対象業種への「医療業」の追加を内容とする化管法施行令の改正を行いました。
平成23年度排出量等の届出を行った全国の36,638事業所からの化学物質の排出量・移動量について全国・全物質で集計したところ、排出量が174千トン、移動量が225千トン、排出量と移動量の合計では399千トンでした。
また、国が推計を行った届出対象外の排出量(対象業種からの届出外排出量、非対象業種からの排出量、家庭からの排出量、自動車などの移動体からの排出量)については、全国の合計で255千トンでした。

1.届出事業所数
  全国の届出事業所数は、以下の通りでした。
  平成23年度の全業種の届出事業所数は36,638事業所で、印刷業、プラスチック製品製造業は355事業所と1,108事業所となった。

 

表


2.業種別の届出排出量
製造業・非製造業をあわせた全46業種における届出排出量の合計は174千トンです。
また、届出排出量の多い上位10業種の合計は141千トンで、総届出排出量の81%に当たります。
上位10業種は、以下のとおりです。
@ 輸送用機械器具製造業:38千トン(構成比22%)
A 化学工業:22千トン(構成比13%)
B プラスチック製品製造業:19千トン(構成 11%)
C 金属製品製造業:14千トン(構成比8.0%)
D 一般機械器具製造業:10千トン(構成比5.8%)
E 非鉄金属製造業:9.5千トン(構成比5.4%)
F 出版・印刷・同関連産業:8.1千トン(構成比4.7%)
G ゴム製品製造業:7.4千トン(構成比4.3%)
H パルプ・紙・紙加工品製造業:6.9千トン(構成比4.0%)
I 電気機械器具製造業:6.3千トン(構成比3.6%)
※括弧内は、総届出排出量の合計に対する構成比を示す

 

グラフ

 

3.全国の届出排出量の多い物質
届出排出量の多い上位10物質の合計は147千トンで、総届出排出量174千トンの85%に当たります。
上位10物質は、以下のとおりです。

 

表

 

グラフ


4.出版・印刷・同関連産業のトルエンの大気排出量
届出排出量・移動量の上位物質は、トルエン(当該業種内比率92%)ポリ(オキシエチレン)=アルキルエーテル(同1.6%)、キシレン(同1.5%)の順で、これら3物質の届出排出量・移動量の合計は10千トンです。この値は、この業種の届出排出量・移動量全体の95%に当たり、排出量と移動量の比率は、排出量が77%、移動量が23%です。
トルエンは主にグラビア印刷のインキの溶剤等に使用されています。上記のトルエン排出量の内、「出版・印刷・同関連産業」の排出量は下表のとおりです。
 ・当業界のトルエン排出量は、年々大幅に減少しています。


表

 

5.トルエン
トルエンの届出排出量・移動量の合計は100千トン(総届出排出量・移動量の25%)で、このうち届出排出量の合計は59千トン(総届出排出量の34%)を占め、そのほぼ100%が大気への排出となっています。大気への排出量は、全物質合計の大気への排出量の37%に相当します。届出移動量の合計は41千トン(総届出移動量の18%)です。トルエンの届出排出量・移動量の上位10業種は、化学工業(31千トン)、プラスチック製品製造業(17千トン)、輸送用機械器具製造業(11千トン)、出版・印刷・同関連産業(9.9千トン)、ゴム製品製造業(5.9千トン)、パルプ・紙・紙加工品製造業(5.0千トン)、金属製品製造業(4.3千トン)、一般機械器具製造業(3.4千トン)、電気機械器具製造業(3.1千トン)、窯業・土石製品製造業(2.4千トン)の順で、その合計は93千トンであり、トルエンの届出排出量・移動量の合計の93%に当たります。
これら上位10業種における届出排出量の届出排出量・移動量合計に対する割合は、化学工業が14%であるのに対し、他の9業種はいずれも65%以上で、排出量の割合が高くなっています。

 

表

 

6. 東日本大震災の影響
平成23年度の届出の状況としては、「特定被災区域」(全222市町村)※1における届出事業所のうち、化管法施行令改正の前後で継続して届出対象物質として指定された物質(以下、「継続物質」という。)を届け出た事業所は4,719事業所で、震災前の平成21年度の5,043事業所より6.4%減少しました。また、同区域から届出のあった継続物質の排出・移動量は約43,030トン(排出量20,954トン、移動量22,076トン)で、平成21年度の排出・移動量約47,191トン(排出量23,629トン、移動量23,562トン)より8.8%減少しました。
また、排出・移動量把握対象年度末(平成24年3月31日時点)に福島第一原子力発電所の周辺地域において、「警戒区域」、「計画的避難区域」又は「特定避難勧奨地点」に指定されていた市町村は表23に示す全12市町村であり、これらの市町村からの継続物質の平成23年度届出事業所数は73事業所で、震災前の平成21年度の127事業所より43%減少しました。また、同12市町村からの継続物質の排出・移動量は約366トン(排出量211トン、移動量155トン)で、平成21年度の排出・移動量約1,497トン(排出量349トン、移動量1,149トン)より76%減少し、その多くが移動量の減少によるものでした。

 

【届出対象事業者は翌年の4月1日より6月30日までに届出書を提出して下さい】
詳細は環境省PRTRインフォメーション広場
ホームページ:http://www.env.go.jp/chemi/prtr/notification/target.html