全グラの田口会長、松島経済産業副大臣にグラビア印刷業界の苦境を訴える

平成26年3月12日(水) 経済産業省


 食品や日用雑貨等のフィルム包装資材のグラビア印刷加工を手掛ける中小企業業者173社で構成される全国グラビア協同組合連合会(以下、全グラ)は、消費税値上げを目前に控えた今月3月12日、経済産業省に松島みどり副大臣を訪ね、大手発注者側からの値下げ要求と、大手材料メーカー側からの値上げ要求の板ばさみにあっている業界の窮状を説明し、消費税増税分、また円安による資材価格高騰分を適正に価格転嫁できるよう行政サイドからの強力な支援をしていただけるよう要望しました。当日は、経産省側からは富田健介商務情報政策局長、吾郷進平流通政策課長、そして印刷業界を所管する佐合達矢文化情報関連産業課長、仲舎菜子課長補佐が、全グラからは田口薫会長、村田専務理事等が出席し、約1時間にわたり意見交換等を行いました。

 全グラが直面している課題は、円安によって印刷加工に必要なフィルム、インキ、接着剤等の石油化学製品の値上げが相次ぎ、また、今春からの消費税増税が実施されるにもかかわらず、大規模小売業者(スーパー、コンビニ)からの圧力によって、食品・飲料中身メーカーともども、適正な価格転嫁ができない状況にあることです。特に、スーパー・コンビニは、独自なPB(プライベートブランド)商品の開発に力をいれていますが、低価格なPBは、食品や飲料の中身、あるいは包装資材もNB(ナショナルブランド)と遜色ないにもかかわらず、コストダウン要請が日常化し、食品・飲料メーカーばかりか、安全・安心で衛生的な包装資材を供給している当業界にも深刻な影響を及ぼしつつあります。それに加え、今回の各種石油化学製品の値上げ、消費税増税、これらを商品価格に適正に転嫁できなければ、包装資材を安定供給しているサプライチェーンにも支障をきたす事態に陥りかねません。こうした不合理な事実を、副大臣をはじめ同席の方々に、下記のように訴えました。

 「消費税転嫁対策特別措置法が施行され、現在、500名にも上るGメンが全国で調査活動を行い、指導件数も今年2月までで853件となっており、そのうち『買いたたき』による指導が610件と発表されています。我々下請け業者が訴え出るには、困難な側面があります。大手流通小売は安さを求める消費者を扇動し、事業拡大のみを追求しています。さらには、売値は安いが利幅の大きいPB(プライベートブランド)を拡大し、優越的な地位を利用し食品メーカーなどに買いたたきと思われるような無理な価格で納入させています。
 当業界においても昨年来、包装資材に使うポリエチレンやポリプロピレン、インキ等々などはナフサの値上がりを受け、フィルムメーカー各社は昨年より値上を打ち出し、値上げの浸透をめざしました。その後、円安が進み、輸入ナフサ価格はさらに上昇。今年に入り、フィルムおよびインキメーカーは前回の積み残し分と合わせて10%程度の追加値上げを打ち出してきています。特にフィルムメーカーは体力も細り、必死に値上げしてくることは確実です。

 ぜひとも、消費増税はもとより資材値上がり分だけでも価格転嫁ができるよう大手流通小売りに指導・対応をお願い申し上げる次第です」
松島副大臣との懇談の後日、文化情報関連産業課の計らいで中小企業庁事業環境部取引課の担当官の方々ともお話を交える機会をいただき、村田専務理事より改めて川上と川下に挟まれた厳しい当業界の内情をご説明しました。これに対し、中小企業庁の担当官からは、「2014年度に国内全ての中小企業を対象に書面調査を行う方針だ。取引中止を恐れて情報提供をためらう企業もあるだろうが、監視の徹底は下請けいじめの抑止につながるはずだ。転嫁法違反を取り締まる調査官『Gメン』も活用し、事態の改善に努める」との力強い言葉をいただきました。
 全グラの田口薫会長は、今回の松島副大臣との懇談について、次のように語っています。「そもそも、行政にこのようなお願いに至った原因は、『下をくぐる』『同業他社との合い見積もり等によって業者間が疑心暗鬼となり安さのみ追求する体質』『指値で受ける』等々、我々にも問題があったと考えます。今まで『環境・安全・衛生等』の対策等の費用も価格に転嫁せず、企業理念を忘れ、ひたすら規模拡大をめざし売上重視をした結果と考えています。特に、業界を牽引し、リーディングカンパニーといわれる大手コンバーターには、社会的責任というモラルはあったのか疑問に思えてなりません。もしこのまま寡占化が進めば、特殊技術を持つ中小事業者(コンバーター・プリンター)も倒産、廃業となり、他の業種に見られるように社会的存在感も失い衰退した業界となるだろうと思います。今からでも遅くはありません。我々自身が適正な利益を生み、安さに走らない、また環境・品質・安全・安心を追求し、次世代に胸を張って渡せる持続可能な業界を目指していきたいとと思います」。

 

松島経済産業副大臣と